Tokyo Programmers Summit No. 1: Kiya Yoshio, Sakaguchi Hironobu, and peers debate PC hardware limits and the Famicom pressure
この世にパソコンが生まれて約10年。今やパソコン人口は、数百万人にものぼるほどに成長した。そんなパソコンを強力にバックアップしてきたのが多くのソフトハウスである。
なかでもアミューズメントソフトの果たしてきた役割は絶大だ。小、中、高校生たちにパソコンをほしがらせたのは、数多くのアミューズメントソフトである。
1986年6月4日、花のお江戸の東京に、7人の男たちが集まった。彼らこそ現在最もイキのいいアミューズメントソフトの仕掛け人たちだ。
第1回東京プログラマーズサミットはそんな熱い男たちの語り合いの場だ。将来のソフトの可能性について語ってもらいさらにおもしろいソフトを作ってもらうための交流の場である。これはそのサミットの一部を克明に納めた、熱い記録なのである。
第1回サミット参加者〈50音順〉
青木和彦
昭和36年11月6日生まれ。AB型。昭和59年にスクウェア入社。代表作品として、『ブラスティー』、(幻の)『アムトラック』(いそがしさにかまけて棚上げ状態)、『KING’ KNIGHT』など。現在年末に向けてRPGを製作中。内容については極秘とか‥‥。テニス歴9年。業界でも1、2を争うほどの腕前といわれているが比べたことがないのでわからない。
木下聖雅
昭和28年12月17日生まれ。血液型A型。昭和59年5月1日、システムソフト入社。販促および広報活動。当日はタイニャンの随行役としてサミットに参加。現在はほとんど毎日新製品の会議に追われている。仕事以外では、ボードゲームと『コントラクトブリッジ』、『ウィザードリィ』に凝っている。
木屋善夫
昭和35年5月22日生まれ。血液型A型。昭和59年6月、日本ファルコムに入社。代表作品『ドラゴンスレイヤー』、『ザナドゥ』。現在、もっぱら倉庫番をやりながら次回作のアイデアを考案中。4歳と2歳になる2人の男の子のお父さんでもある。ファミコンの腕前は息子さんのほうが上らしい!?
坂口博信
昭和37年11月25日生まれ。血液型A型。昭和58年ごろスクウェア入社。『デストラップ』、『WILL』、『ブラスティー』、『KING’ KNIGHT』など、人気作品を次々と発表。現在の活動状況は、昼寝が中心だとか‥‥。
タイニャン
年齢不詳、性別不詳の不思議人間。たいにゃんという名のネコを飼っている(一説には飼われている!?)。ブローダーボンド社の作品の移植のほか、『走れタイニー』、『エフォームン』、『SeeNa』、『選挙』などユニークな作品を数多く出している。現在は新作ゲーム製作開始前の休養中。
内藤時浩
昭和38年2月2日生まれ。血液型A型。T&Eには昭和59年2月入社。主な作品は『コスモミューター』、『スーパーグラフィックエディター』、『ハイドライド』、『ハイドライドⅡ』。現在、年末に発表するためのソフトの企画会議にあけくれる毎日。仕事も飛ばし屋であるが、最近買った愛車『ミラ・ターボ』とのコンビで、名古屋じゅうをとばしているとか!?
中里英一郎
昭和41年12月17日生まれ。血液型O型。昭和60年4月ボーステックに入社。代表作『CHOBIN』、『レリクス』。現在は『レリクス』の移植作業のディレクション、『レリクス』のキャンペーンなどにいそがしく毎日を過ごしている。
J.D.加藤
本誌でおなじみの、ジャックダニエル加藤である。今回はユーザー代表として参加してもらう。
編集部K
最近太りすぎの編集部Kである。今回の司会・進行役をつとめさせてもらう。
創業以来280年を誇る老舗「駒形どぜう」に午後1時到着。第1回プログラマーズサミットはにぎにぎしくも、なごやかに始まった。
歴史の重みあるたたずまいの中にあっても、将来のパソコン界のカギを握る男たちは、威風堂々としていたのである。
まずは、編集部Kより開会のあいさつ。食事などとり、ビールなど飲みつつ、緊張をほぐしてもらうことにした(昼間からビールなどと思う人もいるだろうが、食事前の軽い”アペリティフ”食前酒である。だからといってドジョウにワインは似合わないのでビールということになる。一流のプログラマーたちは少量のビールでは酔わないのだ)。
話は軽い雑談から始まる。いわゆるウォーミングアップである。
本日はおいそがしいところ、POPCOM主催の「東京プログラマーズサミット」に参加していただき、ありがとうございました。先日某誌の特集で木屋さんと内藤さんはお会いになってるみたいなんですが、これだけ人気プログラマーが一堂に集まるということは、めったにないんじゃないかと思います。ま、そこでせっかくみなさんが集まったことですし、ふだんできないような、プログラマーどうしの意見の交換とかですね、将来のソフトの展望みたいなことを話し合っていただけたらと思っているしだいなんです。
まあ、とりあえずお昼もまだでしたし、みなさんの目の前には、ナベも、冷えたビールも用意されてますので、どうぞお召し上がりながらお話をしてください。
(はじめのうち、浅いナベの中にいるドジョウを見て敬遠していた人もいたが、そのうちナベからかおるうまそうなにおいにつられて、はしを出す)
最近、みなさんがデバッグ以外に(笑)凝ってるゲームはありますか。
青木ゲーセン行くと最近「アメリカ縦断ウルトラクイズ」っていうのやってます。なんかもうふつうのアクションゲームみたいのあきちゃいましてね。
内藤ゲーセン行ってやってても、すぐファミコンになっちゃうと思うと、ちょっとやる気しないですよね。だから、ぼく、あんまりテーブルゲームしないんですよ。それよりも、アームを操作して物をとるのありますよね。あれやってますね。それもぬいぐるみばっかりっていうのあるんですけど、家にもう戦利品がズラッとならんでますね。
最近じゃ、ゲーセン行くと店のおやじににらまれちゃってね(笑)。
J.D.木屋さんはあんまりアーケードとかはしないんですか。
木屋最近はあんまりしないですね。セガのマークⅢで、『ファンタジーゾーン』が出ないか待ってるんですけどね。
ーータイニャンはなんか『ブラスティー』をやり始めたとか聞いたんですが。
タイニャンええ、あれはずいぶん待ったんですよ。毎日ソフト屋に通ってまだかまだかってね(一同爆笑。坂口、青木両氏苦笑い)。そしたらある日、会社で先に買われちゃいましてね。それでやったんですけど、やっぱり自分で買わないとちゃんとやる気になりませんね(笑)。
内藤ぼく、あるところでね、ユーザーなんですけど、隠しコマンド教えてもらいましたよ。
青木ああ、あれはもう「隠し」じゃないんですよ。
坂口あれないとまともにマッピングできないんじゃないかなぁ。
J.D.それが、先月の特集に出てた川井くんは『ブラスティー』を2日で解いちゃったみたいですよ。その隠しじゃないコマンドなしで。
坂口に、人間じゃない(笑)。
木屋うちの連中さんざん文句いってんの。「これだけ科学の発達したところで自分の座標位置もわかんないのかよーっ!」って(一同爆笑)。
青木ほんとはですねー。スクリーンに映った宇宙空間に、グリーンのマス目がバーッと広がって、移動するとともに自分の座標がわかるようにするはずだったんですがね。ところが、まあ、期間的な問題などがありましてね‥‥(苦笑)。
木屋期間は十分あったと思うんだけどなぁーっ(笑)
内藤うわさでは、ものすごいフォーマットのおかげで、どこもコピーしてくれなかったとか‥‥。
※注:ソフトメーカーでは、ふつう、ソフトが完成すると、製品を大量にコピーしてもらうために、専門の業者に依頼する。自社で大量に生産するのはめずらしいのだ。
青木えー。その点ではだいぶ苦労しましたね。
J.D.最初、うちで取材したときにディスクのデモ全部で10枚ぐらいもらいましたね(笑)。
坂口そう、はじめは10枚組だったんです。これが、アニメーションのセットです、とかね(笑)。
ーーあの、それじゃここで例のコマンドをですねー、公表しちゃっていいですかー?
坂口どうぞどうぞ。じゃあ、ぼくからいいましょう。まず、SHIFT+CTRL+ROLL UP+←と押しておいて、←以外をはなし、そのあとに←をはなすとですねー、「direction:」と表示されて、そのあとに数字が表示されるんですけど。これが方向と対応してるんです。もうPOPCOMさんでも紹介しちゃってますけど、あのマップに対して、下が0、左が1、上が2、右が3というふうになってるんです。
J.D.これで全国のブラスティーファンも道が開けたことでしょう(笑)。
午後2時30分。とりあえずアルコールもひととおり大脳皮質にしみわたり、おなかもいっぱい、緊張もほぐれたところで、各プログラマーの所属するソフトハウスの状況とプログラマーの環境について語ってもらう。
いま、ソフトハウスっていうのは以前の少人数でやる職人的な世界から多人数でプロジェクトを組んでやるっていう方向に変わってきているところが多いみたいなんですけど、年間で60本出す(一瞬、どよめく)といわれているシステムソフトさんはどんな感じですか?
木下ええ。もう何本出ましたかねぇ。10本ぐらい出ましたかねぇ‥‥(爆笑)。
坂口い、いつの間に(笑)。
木屋ああ、そうかあ、『現代大戦略』のVM用でしょう、U2でしょう‥‥(笑)。
ーースタッフは何人ぐらいいるんですか?
木下技術だけで20人ぐらいいますね。
J.D.そんなにいるんですか。
✕✕いいなぁー。
内藤うちはゲームでは4人ですよ。
木下それは少数精鋭ですよ。
木屋うち、プログラム組んでんの2人(笑)。
ーーボーステックさんはどうですか?
中里15、6人ぐらいですね。
木下うちの場合、プロジェクトという名前はあっても、従来どおりのやり方でやってるってことが多いですね。タイニャンの場合は、もう1人と組んで、ほとんどその2人に任せてますけど、1人でつくったものにみんなで手を入れて出すとか、あと、1人がつくったものがそのまんま出ちゃうとか、4人で集まってごちゃごちゃつくっちゃうとかね。
J.D.スクウェアさんはどう?
坂口うちは完全に分業制です。企画が20人、プログラマー30人と人数が多いので、いくつもの企画を進めようとすると回らなくなっちゃうんですよね。ある企画ができると、企画のうちのだれか1人が担当になって、あとはその人がわりと好きに進めるんですよね。ビジュアルとサウンドを企画と同時に進めて、もうイメージができちゃったところで、まあことばは悪いかもしれませんが、プログラマーは工場みたいなもので、仕様書どおりに作業を進めるだけなんですね。
まあなにしろ、『ブラスティー』ではみなさんにご迷惑をかけちゃいましたし、「ブラれる」なんてことば、つくられちゃいましたからねぇ(笑)。
J.D.プログラマー自身のやりたいことと、会社の方針っていうものの差も問題ではありますね。
木屋まあ、それはしょうがないですよね。だって、ほんとに自分のやりたいことばっかりやってたら、もうかんないでしょう。うちみたいに少人数でやってるところは、自分のやりたいもんつくっちゃって売れなかったら会社そのものが危なくなっちゃうでしょう。だからどうしても、会社の方針とユーザーのニーズに合わせて調整していかなきゃならないんですよね。
ぼくなんか『ザナドゥ』の元の形は『夢幻の心臓Ⅱ』とほとんど同じですよ(笑)。ほんとはああいうのつくりたかったんですけどね。
内藤とりあえずプロっていう意識があると、どんなものつくってても、「ああ、これ売れるかな?」って気持ちが無意識にも意識的にも働いちゃうんですよね。だから、そうなってくると、自分で本当につくりたいものにもバイアスがかかってきちゃって‥‥。プロの悲しい性ってところですね、これは。
J.D.自分の思い入れみたいなものも大事な気がするんですけどね。
内藤今ですねー、自分の思い入れだけで作品をつくれる人っていったらアマチュアだけだと思いますよ。ぼくとしてはそういったアマチュアの人たちに、もっと積極的にプロの世界に挑戦してきてほしいと思ってるんですよね。コンテストとか、そういうんじゃなくてもっと自分から売りこんでくる人がほしいですね。
J.D.確か、内藤さんはそうやってT&Eに入られたんですね。
木下うちの『現代大戦略』はまったくそういう形ですね。一般の人が持ってきたものを味つけして出したんです。
中里ぼくなんかの場合もですね、はじめに持ってきた『レリクス』と今の『レリクス』はかなりちがってるわけです。なにしろ「分業制で行こう」っていうんで気ばかりあせっちゃって、ぼくとしてもみんなの意見をとり入れなきゃ、なんて使命感にばかりかられちゃいましてね。もちろん、そうやってみんなでやった仕事としての達成感はあるんですけど、はじめの『レリクス』とは全然ちがうものですね。だから、オリジナル『レリクス』は未発表ということにしたんです(笑)。
J.D.なるほど、今でもひそかに発表する機会を狙ってるわけですね(笑)。
坂口実際、ターゲットはぼくたちより若いですからね。ある意味であんまりぼくたちの年代の思い入れだけでつくっていくのも危険なわけですよね。『スーパーマリオ』なんかが売れたのは、ほんとうに子どもたちの感性みたいのをつかんでいたんだと思うんです。
ほんとうのプロだったら、それぐらい自分としてもターゲットの感性みたいのをつかんでないとだめだと思うんですよね。
J.D.うーん、なるほどね。
午後3時30分、「駒形どぜう」を出て、浅草寺の雷門へ向かう。雷門からまっすぐ歩くと、左右に商店の立ちならぶ仲見世になる。
まるで江戸時代にタイムスリップしたかと思われるような景色の中を歩きつつ、サミットの参加者たちはもっぱら、女性ユーザーの獲得の話題に花を咲かせた。とくに熱心であったのはスクウェアの坂口氏であった。
木下パソコンユーザーはいま数百万人ぐらいいるわけなんですが、これをもうちょっと広げてみたい気はしますね。
いいソフトが出れば100万本ぐらいボンと売れちゃうぐらいに市場を拡大したいですね。
坂口やっぱり女の子がほしいですね。
木下女の子はむずかしいですね。
坂口女の子、ほしいなぁ(一同爆笑)。ちがうって(笑)。それはおいといて‥‥。
J.D.女の子のユーザーってほんとに少ないですね。うちで『ザナドゥ』の同時進行やったときなんか、はがきたくさん来たんですけどね、女の子って1%ぐらいかなぁ。
木下うちのロードランナークラブでは女性会員は5%ぐらいいますね。
J.D.ああ、5%は多いほうですね。
内藤うちもねー。手紙の整理してて女の子からのがあると「やったあ、もーらいっ!」とかいって、ひきぬいてねそのはがき自分の机の前にはったりするやついるんですよ(笑)。
ーー危ないノリですねー(笑)。この間のつくば博で『ロードランナー』の大会やりましたよね。あのときは3分の1ぐらいいましたけどね。
木下女の子って、その場で遊べてその場で楽しめないといけないんじゃないでしょうかねぇ。なんか機械を買って、それを直したりして「それで私はどうなるの」みたいなものありますよね。
J.D.女の子ってやっぱり男の子よりも物志向っていうか、所有欲みたいのが少ないんですよね。パソコンみたいに、すごく高くて、それでいて自分でも使いこなせるようだとなると「あれがほしい」ってことになって、もうそれを手に入れるっていう行為がエキサイティングなことみたいなところあるでしょう、男の子ってね。
坂口一種のステータスシンボルみたいなもんですよね。
J.D.そうそう。
中里女の子をターゲットにしぼったソフトっていうのも少ないですよね。
J.D.うん、ないね。女の子ターゲットにしぼったソフトってどんなもんでしょうねぇ。
坂口うちでやってるんですけどね、ファミコンなんですよ。で、パソコンでもやりたいっていったんですよ。そしたら「おまえ、そんなのつくってどうするの?」って、「売れるわけないだろ」っていわれちゃいましたね(笑)。
浅草寺で、それぞれ自社のよりいっそうの発展を祈念した各参加者たちは午後4時、赤坂の迎賓館へ向かう。
本来、この迎賓館でレセプションを行う予定であったのだが、某誌より爆弾を仕掛けられるのでは、との情報が入り、中止となる。このあと午後5時、写真撮影のため、新宿へ向かい、午後6時、小学生のナワバリである神田の近くの九段下に到着。
木下女性ユーザーのこともふくめてですけどね、やっぱりパソコン自体のユーザーの数をふやす必要ありますね。
坂口主婦とかね(笑)。
J.D.あれ、人妻っていわないんですか(笑)。
坂口それは趣味の世界(笑)。でも、『ポートピア殺人事件』のユーザーでいちばん多かったのは人妻(笑)、いやちがう、主婦層だったみたいですよ。これなら「太陽にほえろ!」の感覚でゲームができる、「私にもできるんじゃないかしら」って‥‥。
木下ファミコンユーザーからパソコン乗りかえさせたいですね。
木屋もうちょっとハードが安くないとねぇ。
坂口ファミコンユーザーには何かあるみたいですね。「今はファミコン、だけどいつかはパソコン買うぞ!」みたいなのね。
中里ああ、じゃそういうところを攻めたいですね。
内藤ファルコムがエライ、と思ったのはね、ファミコン誌に『ザナドゥ』の広告のせて、「君たちにはムリかもしれないけどネ」ってやったでしょう!あれ見て、「やったねっ!」と思いましたよ。
木屋いや、あれねー、任天堂の検閲受けてんですよ、ちゃんと。だからかなり抑えてんですよ。
むちゃくちゃ書いてあってね。ファミコン持ってる人が見たらはずかしくなっちゃうぐらいだったんですよ(笑)。
ーーハードがやっぱりきちんとなっていててもらわないと困りますよね。
木下そうですね。いいソフトがあれば、そのソフトがほしいために98買っちゃうとかいうのチラホラありますよね、最近。
J.D.そのためにはもっとハード安くなって、あんなボコボコ変なモデルチェンジしないでほしいわけですよね。
坂口某Nちゃん(笑)。
J.D.Nちゃんわがままだから(一同爆笑)。
内藤ファミコンからパソコンへの買いかえ希望のNo.1はMSXらしいですけどね。
坂口ほんとうにファミコンを上まわるようなソフトがつくれるパソコンをつくってほしいですね。この前、テレビのニュース特集でファミコンの『ゼビウス』と、パソコンの『ゼビウス』を比べてるんですよ。こんな値段がちがうのに、ファミコンのほうはこんなにスムーズだってね。そりゃあファミコンのほうがハードスクロールあるから当然なんですけどね。そういう紹介の仕方されちゃうんですよね。
木屋ファミコンってゲームオンリーじゃない。それに比べてパソコンのほうはそうじゃないでしょう。だからそれなりに差がついちゃうわけよね。
中里パソコンってなんだかんだいってビジネス中心に設計されてるでしょ。で、その実、パソコンが売れてるのはゲームソフトによるところがすごく大きいわけじゃない。8ビットなんて、とくにね。そこんところをメーカーにもっと認識してもらいたいですよね。
木下サミットの決議としてですね、メーカーにそういった決議文を提出するというのはどうでしょう。
内藤NECさんから広告もらえなくなっちゃったりしてね(笑)。
J.D.シャレになんないですよ(笑)。
タイニャンハードをつくるときにですね、もう少しソフトメーカーなんかからの意見をきいてくれてもいいと思うんですよね。いくらマシンがあったってソフトがなけりゃ売れないんですからね。
ーーなるほど、つまんないハードつくってたらソフトつくってやんないぞ、と。今回の集まりはサミットということだったんですが、こうなりゃOPECと名前を変えましょうか(笑)
木下ハードメーカーは、買いかえ需要を期待する前にですね、市場をもっと拡大していこうとする努力のほうをしてほしいですよね。
J.D.ゲームセンターのお客がファミコンに奪われていったとき、セガみたいに、『ハングオン』とか『スペースハリアー』っていった、ファミコンでは実現できないものをつくり出してお客を呼びもどしたみたいにですね、パソコンでも、ファミコンじゃできないものをビシバシとつくってってほしいんですよね。
木屋ええ、それはまだまだできると思いますよ。ねえ内藤君。
内藤そうですね、できますね。ねぇ。
木下ええ、もちろん。
J.D.おおっと、ここらへんで各社ジャブ合戦といった様相を呈しています(笑)。
木下きっかけさえあれば、ファミコンからすごい数のユーザーが入ってくるでしょうね。
木屋今のパソコンって、ぜい肉がつきすぎているんですよね。
内藤そう。たとえば某社のAVなんてね。なんでメインボードの半分もVRAMがなくちゃいけないのかって思っちゃいますね。
木屋確かに色をたくさんふやしてきれいになったのはいいんですけど、VRAMがふえるってことはCPUの負担がふえるわけでしょ。それなのにCPUはそのまんまってことはさ、要するに体ばっかりどんどん大きくなっちゃってさ、エンジンはいつまでだっても軽自動車のエンジン積んでるみたいなもんだよね。だからだんだん走んなくなっちゃうわけじゃない。
内藤うち『レイドック』を、いま細川センセイがAVに移植してるんですけどね、MSX2版のより絵がシンプルになっちゃうわけですよ。それはまるっきり、いま木屋さんがいった理由からなんですよね。
ーーファミコンを上まわるアミューズメントパソコンがほしいぞと。
とにかく、プロのプログラマーたちは夜が強いんである。夜が深まるほどに参加者たちの会話ははずみ、目はいきいきとしてくるのだった。本チャンの六本木ではとてものせられないような危ない会話が飛びかった。終了時間午前3時。参加してくださったみなさんほんとにお疲れさま。次回は夜中に開催するつもりです。
もう、むちゃくちゃアミューズメント志向のパソコン、どっかでつくんないですかねぇ。
内藤『スペースハリアー』の座席がインターフェースでとりつけられるとか(笑)。
J.D.『スペースハリアー』みたいのパソコンでつくってほしいですね。
中里ドルビーサラウンド方式なんか採用しちゃってね(笑)。
内藤そんでホログラフィーなんかつけちゃって(笑)。音が後ろから近づいてきて、ハッと気がついたら後ろにモンスターがいたりしたら‥‥。
J.D.そうなるともう、脳に電極をさしこんでやるっていうノリだね。
タイニャンむかしよくあったでしょう。手足を動かすとそのとおりにロボットが動くやつ。ああいうインターフェースつくってくれないかな(笑)。
中里そういうのでうちの『レリクス』やってほしいですね(一同爆笑)。
タイニャンゲームが終わって気がつくと自分が変なものになってたりしてね(笑)。
J.D.のりうつったままでゲームオーバーになっちゃったりして(笑)。
木屋終了させないと元の人間にもどれないの。
J.D.危ないっすねーそれ(笑)。
坂口途中で電源落ちたりして(笑)。
木屋スライムになっちゃったらキーボードたたけないでゲームが進まないとかね(笑)。
J.D.何も考えられなくなって助けが来るのを待ってる(笑)。
木屋そーいうのみんなでつくんない?
木下このメンバーでどっかに会社つくっちゃったりして(笑)。
J.D.このまんま北海道かどっか逃げちゃって会社つくったらみんな困るだろうなー(笑)。でもだれでも困らなかったらこっちが困っちゃうからやめときましょう。(笑)
こうして、東京駅からスタートしたサミットは、会議場を浅草、九段下、六本木と移しつつ、さまざまなテーマについて、忌憚のないところを語り合ってもらうことができ、まずは成功といえる結果に終わったと思っている。
今回はスケジュールのつごうで出席できなかった人も多くいたのだが、次回からは、より多くの人が参加できるようにしたい。迎賓館など1日借りきって、ハデにやりたいと思っている。
次回開催の期日は来年の今ごろにしようかと思ってるが今のところ未定だ。
次回サミットの参考とするため、読者のみんなに、今回のサミットの感想と、次回どんな話をしてほしいか、議題のようなものを書いて編集部まで送ってほしい。待っておるぞ。⛋