Music From Ys II Liner Notes
難波弘之
「ソーサリアン」に続き再び「イースⅡ」のアレンジ・ヴァージョンを任されてしまいました。実を言うと今回は、本業のSENSE OF WONDERのレコーディング中だったので、この前のときよりもスケジュールはかなりきついものがありました。
「ソーサリアン」はそれこそ音楽の見本市みたいにジャズからヘビ・メタまで、中には歌謡曲風、プログレ風、ベンチャーズ風なんてのもあって、この曲にはチャーを入れよう、こっちには北島健二を‥‥ってな具合に、アレンジに合ったゲストの人材を考えるのが楽しくて、僕のアイデアはひたすらとんでもない方向へブッ飛んでいったのですが、今度の「イースⅡ」は原曲がわりとロック風一色にまとまっていました。
そこで今回はレコーディング・メンバーは統一して、逆にゲスト・ヴォーカリストを入れてみようかな、と思い立ちました。
我がS・O・Wのドラマー・小森啓資(23歳)に、ひとまわり以上歳が離れているのに相変わらずひと迷惑なベースを弾く鳴瀬喜博(敢えて歳は書かない)という、ほとんど親子のようなリズム・コンビに僕のキーボード、ギターは是方博邦。
さて、ヴォーカルをどうしようか?
よし!平野文に頼もう!
あのセクシーな声でバラードを歌ってもらったら、ゲームファンの方々にも意外で、そして素敵なプレゼントになるーーこう思ったのであります。
久しぶりにtelしてみたらこれがOK!
彼女、すでに我が友・村松邦男(元シュガー・ベイブ)やムーンライダースの白井良明などのプロデュースで何枚ものソロ・アルバムを出している実績もある。おまけに最近、僕同様、小説まで書いているという才女であります。(「うる星やつら」のラムちゃんだけが平野文ではないのだよ!アニメファンのキミ!)
最初はスキャットがいいな、なんて言っていたファルコムの石川さんも、「詞つけてみようかな」なんて控え目に盛り上がりだして、結果このアルバムに二人の女性が花を添えてくれました。
Special thanks to 俳協 & 作曲者・日本ファルコムになっていますが、実は石川さんでありました。
石川三恵子(日本ファルコム音楽担当)
『イースⅡ』は『イース』の続きです。
あの『イース』の続編なんです。だから主人公はやっぱり赤毛の「アドル」なんです。
記憶喪失のフィーナも、詩人のレアも、壁ぶっこわしたドギもいるんです。
だから、きっと、たぶん、ぜったいアドルとフィーナは再会して、手を取り合って平和な夜明けを迎えるに違いない。ワクワクと心がはやってしまうのです。
だって、オープニングナンバーが「もう、我慢できない。エンディングまで一気にいくぜ!」って気にさせてくれちゃうごっきげんなノリだから。盛り上がるわけなのね。
「リリア」の笑顔のバックに流れるBGMも彼女の可愛らしさを倍増させてて良いしね。
でも、きっとあなたは彼女の笑顔にあまりにもマッチしたこのBGM「LILIA」を聞きながら、「イース」タイトル曲「FEENA」を思い出しつつ「まさかフィーナではなく、アドルはリリアと‥‥。」という、ファンの期待を裏切るような大どんでん返しを予感してしまったのではないですか。
そう、「イースⅡ」のBGM群はただのBGMではないんです。
物語の展開を予想させ謎解きの手助けにもなるかも知れない、シナリオに密着しきってる奥の深いものなんです。
だから、やっぱり凄いんです。スーパー・アレンジ・バージョン。「これ聞かないで『イースⅡ』解いたなんて言っちゃあいけないと思うな、僕は」。自ら感動の嵐に咽び泣く制作スタッフの肩をたたきながら、総指揮官・加藤社長はつぶやいたんです。
ゲーム中では、Miss PSGの美声が満喫できる「ランスの村」のBGM。スーパー・アレンジ・バージョンでは、平野文さんが歌ってくれました。
アドルとリリアの恋の歌でしょうか。苦しい戦いを終えたアドルのための女神からの贈り物でしょうか。もしかしたら‥‥。
ともに冒険してきた親愛なるあなたへの、アドルと、そしてイースの国からの声なのかもしれないね。