Kato Masayuki explains Falcom's unique philosophy and his thoughts on industry trends
東京は立川市にあるファルコムの本社を訪れてみてビックリ!待っていてくださったのは、社長の加藤正幸さん。まさか天下のファルコムの社長さんに会えるとは、感謝感激雨あられ。思わず緊張しちまったぜ。でも、ありがてえことに暖かい人柄の方で、すぐにうちとけて、ひと安心だ。
で、さっそくBEEPERからの便りを取り出す。
「ザナドゥは最高におもしろかったです。ああいうゲームは、どうやって考え出すのですか?教えてください」(北海道・関広和)
知りてえ、知りてえ、おいらも知りてえ。加藤さん、教えてチョーダイな(とナレナレしい態度)。
要するに、自分たちがやってみたいゲーム、いいと思うゲームを考えるということです。それと、ウチの場合、とにかくユニークなものを作りたい、日本初と名のつくものを作りたいと、いつも思っているんです。昔、『ぱのらま島』という作品を出したんですが、これなんか日本初のRPGでした。
今秋には、『アステカⅡ』というアドベンチャーが出ますが、これには、アイコン選択(コマンドが小さな絵で表示され、ジョイスティックだけで入力が可能)を取り入れました。これでアドベンチャーゲームも新しい時代を迎えるんじゃないですか。
なるほどねぇ。そんな考え方が『ドラゴンスレイヤー』や『ザナドゥ』を生み出したってワケだね。関クン、わかったかい?君もやってみたいゲームを考えていけば、いつかはゲームデザイナーになれるかもしれないぜ。
お次の質問は、と。
「ゲームデザイナーの話には、よくアメリカのゲーム(とくにアップル)についての話題が出てきますが、ゲームのことをよく知るには、アップルのゲームをやるといいのですか?」(大阪府・BIG)
そうだね。BEEPにも、よくアップルの話が出てくるもんね。こいつは気になることだ。じゃ、その解答を聞いてみようか。
今まではね(と、加藤さんはおっしゃった。ドキッとさせられる言葉じゃねえか。もうアップルの時代は終わったといわんばかりだ。話を続けてもらいましょうか)3年前には、日本のゲームは10年遅れてるなんていわれ方もしてました。でも、今では日本のほうが上を行ってるジャンルもあるから、とくにアップルをやる必要はないと思います。
いやー、おそれいりやした。たしかに、最近は日本のゲームもおもしろいもんね。無理してアップルのゲームをやることはないのかもしれねえ。そうすると、これからは逆に日本のゲームが世界を引っぱることになるんだろうかね。
いやそれはないでしょう。日本とアメリカじゃ、ユーザーの層が違いますからね。今アメリカでは、ゲームを始めるまでに何日もかかるようなシミュレーションゲームが売れていて、完全にマニアックな世界に入ってしまってます。そういう意味では、まだまだ手本になる面もあるわけですよ。もっとも、それを日本に持ってきても誰もやらないでしょうけどね。
そうか。ユーザーのキャリアというか、質というか、そんなところが違っているから、日米のゲームのどっちが進んでいるかなんてかんたんにはいえないワケだね。
BEEPER諸君が経験をつんで、アメリカのゲーマーと肩を並べたとき初めて、世界をリードするゲーム王国が決まるのかもしれねえ。こいつは、責任重大だぜ。
加藤さんの話はとてもおもしろくて、おいらもついつい脱線しちまうことが多い。でも、その話の一つ一つが、パソコンゲームに対する愛情を感じさせてくれて、心が暖まる思いだ。
加藤さんは、昔コンピュータが真空管(知らねえかな?)で動いていたころからこの世界に入り、ビジネスの仕事をしているうちに、どうしてもゲームがやりたくなったのだそうだ。それだけに、ゲームにかける情熱は並大抵じゃない。今後のゲームついても、
ゲームが文化と呼ばれるようになるまでやっていきたいですね。大人はどうしても生産性のないものに集中することに後ろめたさを感じてしまうようです。でも、人生そのものがゲームみたいなものなんだから、知識欲を満たして人生をエンジョイするために、ゲームをやってもらいたいものです。
うーむ、重いお言葉。
教育ソフトにしたって、今あるような固いものじゃなくて、ゲームのノリでできるものを考えたほうがいいと思います。今度発売する『ロマンシア』なんて、みんな仲良しになろうって感じのゲームで、気がつかないうちに道徳の勉強になるかも。大ゲサかな?
『ロマンシア』はアクションアドベンチャーゲームで、決してRPGじゃないそうだ。内容的には、スーパーマリオのザナドゥ版(?)って感じだから、期待できるぜ。
ともかく、加藤さんとファルコムのゲームワールドは、はてしなく広がっているのだ。
ゲーム界の今後を展望してもらいたいとお願いしたら、逆に、
どうなるんでしょうね。
と聞かれてしまった。何か考えているくせにトボケちゃって、加藤さん、ズルイ。
まあ、ファミコンがどうなるかってことじゃないですか。ウチとしても、そのうちファミコンもやってみたいと思ってますから。
ちなみに、『ザナドゥ』のヒットは、ファミコンソフトもパソコンソフトもあまり差がないなかで、『ザナドゥ』だけが違っていたから、と分析しているそうだ。そういう意味では、
もし、ファミコンで『ザナドゥ』が出るとしても、それはパソコン版とは違ったものになるでしょう。
とのことだった。ファミコンへの移植に反対している『ザナドゥ』ファンのみんな、心配することはないんじゃねえかな。
それから興味深かったのは、次のお言葉。
ウチは、はやりに乗る必要はないと考えているんです。みんながMSXだと騒いでいるときには手を出さず、今後(?)MSXのゲームを作っているんです。ファミコンも、ゲームが去ってみんな手を引いたあとでヒットを飛ばせばカッコイイでしょう?ウチは、ナニワ節的なところがあるんですよ
イキだねぇ。このへんがファルコムらしいとこなんだろうね。
会社設立以来、徹夜がないってのもすばらしい話。秋には『ザナドゥ』のレコードも出るし、シナリオⅡも発売が近いそうだから、ますます楽しみだね。加藤さん、本当にありがとうさんでした。これからも大期待しちゃいますぜ。