Director Umezawa Atsutoshi explains his 'non-stop action' approach to the Xanadu anime
『ザナドゥ』を演出すると決まってすぐに、まずコミックスを読みました。そういうゲームがあることは聞いていましたが、コミックスのことは知りませんでしたから。読んでみて感じたのは、いろいろな要素がからみあいながら1本の糸にまとまっていく過程のおもしろい作品だなということでした。ただ、50分で納まる内容じゃないので、その点で頭をかかえちゃいました(笑)。出てくるキャラも多かったし‥。しかもうかつに内容をはしょってしまうと、ストーリー全体がわからなくなってしまうんです。どこを省略するかについては相当悩みましたね。
原作がゲームだということで、工夫した点が2ヵ所ありました。1点は、ノンストップでアクションを見せようとしたことです。今まで”ノンストップアクション”というふれこみの映画は多くありましたが、どれも本当の意味での”ノンストップアクション”じゃなかったんです。どうしてもラブシーンなんかが入る。それはドラマである以上、仕方のないことなんですね。でも、『ザナドゥ』は原作がゲームですから、ドラマ主体の作品とは違うテンポの取り方ができるんじゃないかと考えたんです。ゲームには、ドラマにある”間”がないでしょう。だからアニメのほうでも”間”をなくして、次から次へとアクションを見せていこうと考えたわけです。そのほうがゲームらしいし、ぼく自身、”ノンストップアクション”を作ってみたかったんですよ。だから『ザナドゥ』を50分間、見てくれた人が、アクションに次ぐアクションに疲れてくれたら嬉しいんですけどね。疲れるかどうか、とにかく見てみてください(笑)。
もう1点は、とくにテーマを決めずに作ったということです。フィルムを作る時、はじめにテーマを決めておくことも重要なことなんです。でも、たとえば、テーマは愛だなんてことを作品の中でちらつかせたら、最近の若い世代の人はテレちゃうんじゃないかと思うんですよ。こっちもテレるし(笑)。そこで、とにかくおもしろいアクションを作るということに全力をあげたんです。これは冒険なんですけれどもね。で、どうしてこんな冒険ができたかといえば、やっぱり、原作がゲームだからなんですね。ゲームにはテーマはないでしょう。だから、あえてテーマを考えないで作ったんです。作品を見てくれた人が、何かテーマを感じてくれたら、それでいいと思っています。
こういう工夫や冒険ができる『ザナドゥ』という素材に出会えたのは、ぼくにとってはラッキーでしたね。
でもね、”ノンストップアクション”なんてやると、ますます、ぼくはアクションものが好きな演出家だと言われるんじゃないかと心配なんです(笑)。ぼくは『北斗の拳』の演出を長い間やっていたもので、アクションが好きということになってるんです。でも、アクションって殺陣を考えるのがタイヘンなんですよ。とくに好きなわけじゃないです。見るぶんにはイイんですけどねえ(笑)。時代劇が好きなんですよ。剣のアクションがね。見てて、あそこはこうしたら、もっとおもしろくなるな、なんて考えちゃうんです。と、いうことはやっぱり、アクションの演出が好きなのかな(笑)。『ザナドゥ』でも結局、剣のアクションには力を入れましたからね。キャラでも、アゴラが大好きですし(笑)。あいつは剣に生きてるヤツで、武士道精神がありますから。そのために自分の行動に疑問を持っちゃったりするんです。そういうキャラって、好きなんですよ。
ゲームが原作ということで、試せたこともあったんですが、逆にプレッシャーもかかりました。アニメファンだけでなく、ゲームファンの人も見ますよね。もちろん両方のファンだという人もいるでしょう。でも、ふだんアニメを見ない人に『ザナドゥ』を見て、「なんだ、アニメなんてこんなもんか」と思われてしまったらシャクですからね。なんとかアニメのおもしろさを教えて、アニメファンを増やさなきゃと思うと、結構、緊張しましたよ。アニメ界の代表になったような気がして(笑)。
それに、『ザナドゥ』は、製作は東映動画なんですが、販売は東宝ビデオからなんです。だから東映動画の代表になったような気もしちゃいましてね(笑)。そっちのほうでも、プレッシャーがかかってしまいましたよ(笑)。